はじめに
ジムニーを購入し、初めて自分でオイル交換をやってみようと思われる方もいると思います。参考にしてください。用意するものや、必要なツールも紹介します。
用意したもの
まず用意したものから。
消耗品・交換品
- オイルフィルター:
純正品(品番:16510-84M00)を使用しました。ネットでも購入できますし(まとめて複数個購入がお得)、社外品であれば、ホームセンターでも購入できます。
参考:ジムニーシエラJB74 K15Bエンジン用は、品番:16510-81404になります。参考ページ - ドレンパッキン:
オイル交換のたびに、新品に交換します。これもネットでも購入できますし、ホームセンターでも購入できます。ちなみに純正品は、品番:09168-14015になります。
参考:ジムニーシエラJB74 K15Bエンジン用も同じ品番です。参考ページ - オイル処理箱:
これもホームセンターで購入できます。ホームセンターの中でも、CAINZで売っているものが、お安くておすすめです。オイル量は、ジムニーJB64のR06Aエンジンは3L未満、シエラJB74のK15Bエンジンで4L未満なので、4.5Lも処理できれば充分です。
- オイル:
API SN以上、基本5W-30を選びます。入手しやすさと値段から、Castrol EDGE API SP 5W-30を選んでましたが、最近は、JDA エンジンオイル スーパーマルチグレードエンジンオイルを使用しています。
オイルは、スズキ純正品がベストだと思います。スズキ純正はエクスターF SN 5W-30というものですが、購入しようとすると20Lペール缶しかないようです。 - パーツクリーナー:
あったほうがいいです。ホームセンターで一缶300円程度のものをいつも使用しています。 - ウェス類:
キッチン用ペーパータオルを使ってます。
工具類
オイルジョッキ
●オイルジョッキ
ホームセンター買った1Lのものを使ってます。もう少しノズルが長い方が使いやすいです。また、毎回使用後にはきれいにして、ごみやほこりが入らないように、ビニール袋で包んで保管してますが、キャップがあると便利です。
新しく購入するならば、下で紹介する、TRUSCOのオイルジョッキがよさそうです。
オイルドレンプラグ着脱用工具(オイル交換)
- トルクチェックツール:
初心者ほどあった方がよいです。35N・mが測定できる/設定できるものです。
JB64-R06Aエンジンのオイルドレンプラグは、35N・mで締付けるためです。ちなみに、オイルフィルタは、14N・mのため、これにも対応できるもので、ソケット9.5mm対応のものが使い勝手ががよいです。
写真のものは、TONEのT3DT135というもので、10〜135N・mに対応、ソケットサイズは9.5mm(3/8インチ)、オイルドレンプラグ(締付けトルク35N・m)、オイルフィルタ(締付けトルク14N・m)はもちろん、ホイールナット(締付けトルク100N・m)の締付けにも使えます。設定したトルクになると、音で知らせてくれます。
- 14mmソケット:
オイルドレンプラグ(ボルト)を緩めるのに使います。
- エクステンションバー(150mm):
エクステンションがないと、周辺部品がじゃまで、緩めたり締付けたりの作業がやりにくいです。150mmぐらいのエクステンションがちょうど良いと思います。
また、150mmエクステンションバーはオイルフィルターの交換作業でも使います。
- ロングスピンナハンドル:
ラチェットレンチでもいいですが、柄が長い方が少ない力で作業できます。柄が長いラチェットレンチは、高額で重量も重いので、ロングスピンナハンドルをおすすめします。写真のものは、トネ(TONE) ロングスピンナハンドル NS3L 差込角9.5mm(3/8インチ)長さ400mmのものです。
ソケットを買い足せば、タイヤ交換時のホイールナット着脱も車載工具より断然楽に作業できます。
スパナは使ってはいけません。オイルドレンプラグ(ボルト)をナメて(痛めて)しまいます。
オイルドレンプラグ外しにあった方が便利な工具
- マグネットオイルドレンボルトツール:
なくてもよいですが、あると非常に便利です。うまく使えば、手がオイルで汚れずに作業できます。
写真は、STRAIGHTのものです。
オイルフィルタ交換用工具
上の「オイルドレンプラグ着脱用工具(オイル交換)」に加え、次の工具を追加で用意します。
- オイルフィルタレンチ(カップ):
これがないと、フィルターが外せません。
写真はサイズ64mm品の、トネ(TONE)オイルフィルタ(カップ形) 3FW-64です。
純正のオイルフィルタにピッタリ合います。注意:純正以外のオイルフィルタは、合わない場合があります。
- オイルフィルターオイルキャッチャー:
なくてもよいですが、あるとオイルフィルターを外す際に、オイルで手を汚さなくてすみます。
作業準備
フロントフード(ボンネット)を開ける
運転席右下のフードオープナーを引っ張って、エンジンフードのロックを外します。
フードのロックレバーが、上の写真の赤で囲ったところにあります。
上の写真のように、ロックを見つけたら、正面からみて左に動かして、そのあとフードを持ち上げます。
正面からみて右(車両左側)にフードロッドがあります。
上のフードの穴に、ロッドを差し込みます。下が拡大写真
事前確認
オイルを抜く前に、事前確認です。
上の写真にある、オイルフィラーキャップがちゃんと外せるか確認します。特に一度も外したことがない方は、やってみましょう。ここからオイルを入れるのですが、もし、オイルを抜いた後にキャップが開かなかったら、また、開け方がわからなかったら、大変なことになります。
オイルフィラーキャップを左(反時計回り)に回して、キャップを外します。
固着していて外れなかったら、中止してディーラーに持っていきましょう。(そんなこと滅多にありませんが)
はずせるのがわかったら、またキャップしておきます。これは、オイルを抜く時、キャップから空気が入ると、流れる勢いが増すためです。
オイル処理箱の準備
オイル処理箱を準備します。
箱を開けると、タイバンドが入ってます。これは、中の袋の封をするためです。なくさないようにしましょう。
はこの蓋部分をたてて、中の袋を、写真のようにかぶせます。袋はダンボールの角でも破れてしまうため、注意して作業しましょう。
作業
エンジンオイルを抜く
エンジンの下側にオイルドレンプラグ(ボルト)があります。
工具を準備します。
用意した工具で、反時計まわりに緩めます。
手で回せるけれど、オイルがたれてこないぐらいに緩めます。
オイルを抜いていきます。
オイルドレンプラグ(ボルト)の真下に、オイル処理箱を置きます。
そのあと、マグネットオイルドレンボルトツールを、オイルドレンプラグ(ボルト)にくっつけます。先端が磁石になってます。
マグネットオイルドレンボルトツールを反時計まわり(左)にゆっくり回し、ドレンプラグ(ボルト)を緩めていきます。少し押し付けるようにしながら緩めるのがこつです。
最初はかなりの勢いでオイルが抜けてきます。オイルがこぼれないように、オイル処理箱の位置を微調整します。
ふたたびオイルフィラーキャップを外し、空気を入れて、オイルを排出しやすくします。(実際はあまり変わりませんが...)
オイルは粘度があるので、上の写真のようにポタポタ落ちるようになっても、なかなか止まりません。しばらく放置します。
パッキンの準備・オイルドレンプラグ(ボルト)の締付け
オイルを抜いている間に、新品のパッキンを準備します。パッキンには表裏があります。平らな側が、エンジンと接する方です。
金属製ですが、エンジン/ドレンプラグ(ボルト)より柔らかい素材で、締付けによりエンジン/ドレンプラグ(ボルト)と接する部分がいい感じに変形(目に見えませんが)・密着して、オイルの漏れを防ぎます。「変形」するので、毎回交換するのです。
ちなみに、オイルドレンプラグ(ボルト)はパーツクリーナーで綺麗にしてあります。
特にネジ山に異物がかみこんでいないか、確認しましょう。
オイルがポタポタ落ちなくなったら、オイル排出口周辺のシール面(パッキンが接する面)を綺麗にします。
トルクチェックツールを35N・mにセットし、ロングスピンナハンドル、150mmエクステンション、14mmソケットをセットします。
オイルドレンプラグ(ボルト)を締付けますが、最初は工具を使わずに、手でまわして行きます。
手でしまらなくなったら、工具の出番です。「ピー」と鳴ったら完了です。
オイルフィルター取外し
フィルターレンチは、上の写真の右側のようにつかいます。が、最初はバラバラにしておきます。
オイルフィルターは、オイルドレンプラグ(ボルト)よりも、車両前側にあります。
- (一番左の写真)フィルターレンチ(カップ)を、オイルフィルターにかぶせ、エクステンション、ロングスピンナハンドルをつなぎ(写真はロングスピンナハンドル接続前)、反時計まわりに緩めていきます。オイルがたれてくる寸前で、かつ手で回せるぐらいに緩んだら、いったん止めます。
- (左から2番め写真)オイルフィルターオイルキャッチャーをオイルフィルターにかぶせます。
- 手でオイルフィルタを緩めていきます。途中でオイルが出てきます(左から3番め写真)ので、オイルフィルターオイルキャッチャーからこぼさないように気を付けながら、フィルタをエンジンから分離するまで回します。
- 最後に、オイルをこぼさないようにそっと持ち出します。
新しいオイルフィルタの取付け
新しいオイルフィルターを取り付けていきます。
オイルフィルタを梱包箱から取り出し、Oリング部分を保護しているビニールをはがします。
純正品には、Oリングよじれ防止のグリースがぬられていますので、何もする必要はありません。
社外品で、Oリング部に潤滑剤がぬられていない場合、エンジンオイルを薄く塗布してください。
また、オイルフィルター本体の外周にオイルがついている場合は、パーツクリーナーなどできれいにして、締め付け作業時に滑らないようにしておきます。
次に、エンジン側のオイルフィルターのOリングが接する面を、きれいにします。
オイルフィルターの中心がネジになってますので、時計回りにフィルターを回してねじ込んでいきます。
工具は絶対に使用しないで、手で回してください。指1本でもくるくる回ります。
斜めに入れないように。すこしでも固い場合は、斜めに入ってしまっている可能性が高いです。戻してやり直してください。
取付け面にフィルターが接すると、指1本では回らなくなるので、そこでいったん止めます。
おすすめ工具一式があれば、下の写真のように組み合わせて、もしくはリミット(トルク)レンチを持っている場合は、14N・mにセットして、オイルフィルターを締めてください。締めたあとは、「オイル注入」へ進んでください。
そうでない場合は、工具を使わずに手で締めます。
フィルターがエンジン本体に接してから、1/2~3/4回転締め付ければOKです。
オイルフィルタの側面に、角度90度ごとに1~4の番号が振ってありますので、増し締めスタート時の番号とその位置を確認(記憶しておく)します。
今回の例では、4です。(上左側写真)
ここから、1/2~3/4回転回します。
上右側写真は、途中経過。1/4締めたところ。
上左側写真は、途中経過。おおよそ1/2締めたところ。
今回は、最終的に1/2~3/4のちょうど真ん中、5/8回転まで締めました。(上右側写真)
(というか、これ以上は手では締められませんでした。)
オイル注入
注入するオイル量を確認しておきます。オーナーズマニュアルに記載があります。
今回は、オイルフィルターも交換してますので、2.8Lです。
オイルジョッキを使って、新しいオイルを入れていきます。こぼさないように注意しましょう。
規定量より少なめの量を入れて、オイルレベルゲージでオイル量を確認します。
LOWとMAXの間に入ったら、いったんキャップを締め、エンジンをかけます。
数分たったらエンジンを止め、数分放置します。
放置している間に、オイルドレンプラグ(ボルト)と、オイルフィルター部分からオイルが漏れていないか、確認します。
再びオイルレベルゲージでオイル量を確認します。LOWより少なければオイルを追加します。
LOWを超えている場合は、MAXの少し下ぐらいの量にできればベストでしょう。MAXを超えるのはよくありません。
片付け
最後に、オイル処理箱を片付けます。
使用したウェス類も一緒に処分してしまいます。
袋の口をまとめ、タイバンドできつく縛って、
箱のふたを閉じて完了です。(あとは、各地域のごみ処理方法に従って処分します。)
まとめ
自分でメンテナンスすると、余計に愛着がわくと思います。
必要な工具をそろえ、パッキンは毎回新品に交換する、締付トルクを守る、など基本に忠実に作業すれば、問題なくできると思います。
コメント
管理人様
はじめまして!滋賀県在住の会社員です。
来月JB64納車ですが、オイル交換は自分でやりたいと思い下調べしてる最中に管理人様のブログを見つけました。純正の部品品番から締め付けトルクまで知りたい情報がすべて網羅されていて、非常に役に立つ情報でした。ありがとうございました。
ぜひ参考にさせていただきます。
コメントありがとうございます。自分でメンテナンスすると、より愛着がわきますね。
もうすぐ納車とのこと。末永く楽しんでください。
ネットを検索し様々なジムニーのオイル交換を指南したページを見てきましたが、ページ構成や画像の配置、説明内容、シエラに関する締め付けトルクも併記、最後にはまとめのデータシートまで用意されるこのページの完成度の高さに思わずコメントしてしまいました。
非常に丁寧な解説ありがとうございます。
コメントありがとうございます。少しでもお役に立てたのなら、うれしく思います。