はじめに
前回は、Geekworm KVM-A3を組み立てたところまで紹介しました。
今回は、Geekworm KVM-A3にOSをインストールして、使えるようにします。
GeekwormのKVM-A3のページで詳しく紹介はされてますが、英語のため、少し苦労しました。
このページでは、パスワードの変更、タイムゾーン変更、アップデートの方法など、最小限必要なことと、IPアドレスの固定化や、WiFiを使えるようにする方法など、著者が必要としたことを備忘録を兼ねて紹介します。
OSのインストール
OSイメージのダウンロード
OSイメージのダウンロード先は、GeekwormのKVM-A3のページの、OS Download & Installationで紹介されています。
そのダウンロードページにある、「V3 Pre-Asm ・ sha1」をクリックしてダウンロードします。

「v3-hdmi-rpi4-aarch64-box-latest.img.xz」というファイルがダウンロードされます。

これを、microSDカードに書き込みます。
ダウンロードしたイメージファイルは圧縮されてますが、Raspberry Pi Imagerを使う場合は、解凍する必要はありません。
OSのmicroSDカードへの書き込み
書き込みには、Raspberry Pi Imager を使用します。書き込むmicroSDカードは、最低でも16GBが必要です。


Raspberry Piデバイスは、「Raspberry Pi 4」を選択

OSを選択では、「カスタムイメージを使う」で、ダウンロードしたOSイメージを選択します。

書き込むストレージも選択して

「次へ」をクリックします。

ここで出てくるダイアログでは、必ず「いいえ」を選択します。

警告が出ますが、「はい」で続けます。

終了したら、microSDカードを取り出します。
起動と設定
OSを書き込んだmicroSDカードをKVM-A3のRaspberry Pi 4Bに差し込み、起動します。
起動

起動すると、ディスプレイに、IPアドレスや起動時間、温度などが表示されます。
WEBからのアクセス
ほかのPCのWEBブラウザから、「<KVM-A3のディスプレイに表示されたipアドレス>」でアクセスします。

「この接続ではプライバシーが保護されません」と出ますが、接続先は自宅のネットワーク内にある自分のKVM-A3で、問題ないので進めていきます。
「詳細設定」をクリックします。

「192.168.9.28(KVM-A3のIPアドレス)にアクセスする(安全ではありません)」をクリックします。

ログイン画面が表示されるので、

ユーザー名、パスワード、どちらも「admin」
を入力してログインします。
Remember me:は、1h、12hで自動的にログアウトするか、Foreverで自動ログアウトしないかの選択です。

今回、GoogleChromeを使いましたが、警告がでました。OKで進めます。(後でパスワードを変更します)

ログインできました。
すでに「KVM」をクリックすれば、使えるようになってますが、先にパスワードを変更しておきましょう。
パスワードの変更
パスワードを変更します。
Terminal の起動

画面内の「Terminal」をクリックします。

Terminalが開きます。ここでコマンド入力をして、パスワード変更や設定をします。
管理者ユーザーになる
まずは、管理者ユーザーになります。
su -
パスワード初期値は「root」です。

誤操作を防ぐために。ファイルは書き込み禁止になっています。
そのため、何かの設定を変更したりする場合は、
rw
コマンドで、書き込みできるようにしてから、実施します。
終わったら、
ro
コマンドで書き込み禁止にします。
ちなみに書き込みできる状態で再起動すると、書き込み禁止の状態に戻ります。
rootパスワードの変更
# 書き込み可能にする
rw
# パスワード変更
passwd
新しいパスワードを入力
# 書き込み禁止にする
ro

Web UIユーザー admin のパスワードの変更
# 書き込み可能にする
rw
# パスワード変更
kvmd-htpasswd set admin
新しいパスワードを入力
# 書き込み禁止にする
ro

参考 KVMユーザー追加、リストアップ、削除
# 書き込み可能にする
rw
# KVMユーザー追加
kvmd-htpasswd add <ユーザー名>
パスワードを入力
# 書き込み禁止にする
ro
# パスワード変更
kvmd-htpasswd list

# 書き込み可能にする
rw
# KVMユーザー削除
kvmd-htpasswd del <削除するユーザー名>
# 書き込み禁止にする
ro
タイムゾーンをAsia/Tokyoに設定
# 書き込み可能にする
rw
# タイムゾーンの設定
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
# 書き込み禁止にする
ro

アップデート
アップデートは、以下コマンドで実施できます。
# アップデート
pikvm-update
IPアドレスを固定
IPアドレスを固定するには、設定ファイルを作成し再起動します。
有線LANの場合で紹介します。
# 書き込み可能にする
rw
# 設定ファイルを別名保存(バックアップ)
mv /etc/systemd/network/eth0.network /etc/systemd/network/eth0.network.org
# 設定ファイル作成
nano /etc/systemd/network/eth0.network
以下を入力。IPアドレスはご自分の環境にあわせてください。
[Match]
Name=eth0
[Network]
Address=192.168.9.38/24
Gateway=192.168.9.1
DNS=192.168.9.1
Ctrl + o で保存。Ctrl + x でnanoを終了させます。
再起動して設定を有効にします。
reboot
無線LANを使えるようにする
無線LANで使うのは、セキュリティ上好ましくありませんが、設定できます。
# 書き込み可能にする
rw
# 設定ファイル作成
nano /etc/systemd/network/wlan0.network
以下を入力します。
[Match]
Name=wlan0
[Network]
DHCP=yes
DNSSEC=no
[DHCP]
ClientIdentifier=mac
RouteMetric=50
Set network ESSID and password:
Ctrl + o で保存。Ctrl + x でnanoを終了させます。
次に、WiFiのSSIDとパスワードを設定します。
# WiFiのSSIDとパスワードを設定
wpa_passphrase 'MyNetwork' 'Password' > /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant-wlan0.conf
MyNetwork がSSID
Password がそのパスワードです。
設定ファイルのパーミッションを変更して、WiFiを有効化します。
# 設定ファイルのパーミッションを変更
chmod 640 /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant-wlan0.conf
# WiFi有効化
systemctl enable wpa_supplicant@wlan0.service
電源OFF(シャットダウン)
shutdown -h now
おわりに
他にもKVM-A3の設定項目はいくつかありますが、基本的には上にあげたもので足りるとおもいます。

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