前回の記事でお伝えした通り、今回は、MX Linuxの日本語入力関係のセットアップと、ネットワークファイルサーバーへ接続できない問題の対策を紹介します。
日本語入力関係セットアップ
MX Linuxは、初期状態では日本語入力ができません。日本語入力にはいろいろなものがありますが、ここでは、iBus-Anthyをセットアップします。
必要なパッケージのインストール
「MXパッケージインストーラ」を起動します。
方法はいくつかありますが、左端のパネル内にある、開封した箱のようなアイコンを右クリックして、表示されるリストから起動するのが簡単です。
「MXパッケージインストーラ」の「Poplar Applications」タブに、「言語」があるので、これをクリックして展開します。
日本語入力は3種類ありますが、その中から今回はiBus-Anthyとしたいため、「Japanese_Input」にチェックを入れます。
ついでに、日本語フォントや、アプリケーション用日本語パックもインストールします。
選択したら、「Install」をクリック。
パスワードを入力し、「認証する」をクリック。
必要なパッケージを選んでくれます。(詳細を見たい場合は「詳細を表示…」をクリック)
「OK」でインストールを開始します。
インストールが正常に終わったら、「MXパッケージインストーラ」を閉じます。
再起動します。
正常にインストールされていれば、左端パネル内のキーボードのアイコンを左クリックすると、このように表示されます。
余分なものが含まれますので、これを次の手順で削除します。
日本語入力設定
キーボードのアイコンを右クリックして、「設定」を開きます。
削除したい対象を選択して、「削除(R)」をクリックします。
今回は、「日本語 - Mozc」と、
「英語 - 英語(US)」
を削除。
次にAnthyのキー割り当ての設定変更をします。
必須ではありませんので、お好みで。
「日本語 - Anthy」を選択した状態で、「設定(P)」をクリック
ここでは、
- 日本語入力on-offに「CTRL」+「スペース」
- 直接入力(latin_mode)への切り替えに、「左ALT」、「英数(CAPS)」、「無変換」
- 日本語入力への切り替えに、「右ALT」「ひらがな/カタカナ」
を設定します。
まずは、「on_off」を選択した状態にして、「編集(E)」をクリック
キーコードの右の方にある、「…」をクリック。
「キーを入力してください」と表示されるので、
「CTRL」を押しながら「スペース」を押します。
キーコードに「space」、キー修飾の「Control」にチェックが入ったのを確認したら、「追加(A)」をクリックします。
「Ctrl+space」が上のリストに追加されたのを確認して、「OK(O)」をクリック。
on_offに、「Ctrl+space」が追加されました。(青枠)
- 直接入力(latin_mode)に、「左ALT」、「英数(CAPS)」、「無変換」
- 日本語入力(hiragana_mode)に、「右ALT」、「ひらがな/カタカナ」
も同じように設定します。
キー割り当て設定が終わったら、「閉じる(C)」でウィンドウを閉じます。
入力できるか確認
テキストエディタを開いて、日本語入力ができるか確認します。
「JA」は日本語キーボードの直接入力しかできない状態です。
「Win」キー+「スペース」キーで、Anthyに切り替えます。
「_A」はAnthyでの直接入力の状態です。
ここで、設定したキーのいずれかで日本語入力に切り替えます。
「あ」の表示になれば、日本語入力ができるようになります。
ネットワークファイルサーバーへ接続できない対策
x64や386アーキテクチャ用のMX Linuxでは起きないのですが、Raspberry Pi用のMX Linuxでは、初期状態ではSMBネットワークサーバーへの接続ができません。これについて、解決したので紹介します。
初期状態で、ネットワークに接続しようとすると、
エラーが表示され、接続できません。
これは、必要なパッケージがインストールされていないためです。不足しているパッケージをインストールします。
- 「MX パッケージインストーラー(Package Installer)」を開いて、
- 「Enabled Repos」タブを選択
- 「gvfs」で検索します。
ここで表示される「gvfs-backends」と「gvfs-fuse」をインストールします。
gvfs-backends」と「gvfs-fuse」にチェックを入れ、「Install」をクリックします。
パスワードを入力し、「認証する(A)」をクリック
「OK」をクリック
インストールが完了したら、「OK」をクリック。
その後、「Close」をクリックし、ウィンドウを閉じます。
再び、ネットワークへ接続してみます。
ネットワーク上にあるファイルサーバーが使えるようになりました。
おわりに
ここまでで、Pironman5+Raspberry 5+MX Linuxの基本的な設定は完了です。
基本的なアプリケーション(ブラウザ、メールソフト、オフィスソフトなど)は最初からインストールされていますので、おおよそのことはそのままできます。
他のアプリケーションも、MXパッケージインストーラからインストールできます。
Raspberry Piは4Bまでは非力でしたが、5であればデスクトップPCとして結構使える印象です。
性能に対するコストパフォーマンスで言えば、Intel N100,N95などを搭載したミニPCの方が上ですが、性能で語れない魅力があると思います。
興味があればぜひ挑戦してみてください。
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