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Microsoft Surface Pro 7+ のSSDを交換してみた

アイキャッチ Surface SSD その他PC
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はじめに

Microsoft Surface Pro 7+のSSDの容量が不足してきたことと、もう少しきびきびした動作になることを期待して、SSDを交換してみました。

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対象のSurface Pro 7+

交換対象のSurface Pro 7+は、CPU Core i5 1135G7、メモリ8GB、SSD128GBのモデルです。OSはもともとWindows10Proでしたが、Windows11Proへアップデートしています。
SSDの状態は、CristalDiskInfoと、CristalDiskMarkで調べたところ、以下の通り、

Microsoft SurfacePro7+ 純正128GBSSDの状態

CristalDiskInfoから、
使用時間は2,634時間は、新品で購入してから約2年4か月(約850日)たちますので、1日平均3時間使っていることになります。
健康状態は92%。
CristalDiskMarkから、
新品状態の性能は分かりませんが、書込み速度が3桁台とちょっと遅い状態です。

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交換用SSD

交換用SSDは、2230サイズという極小のSSDです。通常サイズの2280に対し、あまり多くは流通していません。そのためか、通常サイズの2280に対して割高です。
今回選んだSSDは、Western Digital ウエスタンデジタルWD BLACK SN770M 500GBです。
Western Digital ウエスタンデジタルは、SSDではメジャーなメーカーで、後々のファームウェア更新など、サポートもしっかりしているため、これを選択しました。
また、同社製品であれば、SSDをクローン出来るソフト「Acronis True Image for Western Digital」もダウンロードして使用できます。(今回は使用しませんでしたが)

WD SN770Mパッケージ

WD BLACK SN770M のパッケージ(表/裏)です。

内容物

中身は、SSDと説明書のみです。

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準備したもの

SSDの交換とコピー(クローン)のために、次のものを用意してます。

UGREEN SSDケース

SSDケース

SSDをコピー(クローン)するため、USB接続に変換するケースです。
このケースは、2230,2242,2260,2280サイズのSSDに対応していて便利です。

クリップ

丈夫な針金

クリップを伸ばしたものを使いました。

トルクスレンチセット

トルクスレンチ(ドライバー)

SSDを外すのに、T3サイズのトルクスレンチ(ドライバー)が必要です。
写真のものは、近所のホームセンターで在庫があったものです。
下記のような、工具のセット品が便利かと思います。

●コピー(クローン)用PCとして、手持ちのMeLE Quieter4Cを用意しました。
理由としては、WD BLACK SN770Mに付属(ダウンロード版)する、「Acronis True Image for Western Digital」を使えば、Surface Pro 7+でコピー(クローン)可能ですが、普段使用しないアプリをインストールしたくなかったために、Linuxを使ってSSDをコピー(クローン)することにしました。ただ、Surface Pro 7+でUSBメモリからLinuxが起動・動作するかわからなかったので、起動・動作することがわかっているPCを使いました。

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Bitlockerの解除、データのバックアップ

Bitlockerの解除

SSDを取外す前に、Bitlockerによる暗号化を解除します。

  • 暗号化したままだと、うまくコピー(クローン)できない可能性があること
  • 解除キーを忘れて起動できなくなるのを防ぐ
  • もしもの場合、ほかのPCからもとのSSDからデータを取り出せるようにする

以上がその理由です。

データのバックアップ

大事なデータは、USBドライブなどにバックアップしておきます。
SSDのコピー(クローン)するときに、操作を誤って、元のSSDを消去してしまうことも考えられますので、念のためです。

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SSDの取外し

Microsoftが「Surface Pro 7+ SSD 取り外し手順」をpdfで公開しています。Google等で検索すれば、すぐに出てきますので、そちらもご覧ください。

ここでは、簡単に写真で紹介します。

SSDカバー取り外し

SSDは、本体スタンドを開いたところにあります。
カバーに小さい穴があいているので、ここに工具(ここではクリップを伸ばしたもの)を差し込み、ひっかけて持ち上げ外します。

TIPS

穴の中を押してもカバーは外れません。穴の壁に工具をひっかけるようにして外します。

外したSSDカバーと、SSD固定ネジ

カバーは上部が本体にひっかけるようになっており、下部のマグネットでくっつけて固定する構造になってます。

SSDは、T3のトルクスネジで固定されています。

トルクスネジ

トルクスネジを外したところ。
デスクトップPCのように、SSDが跳ね上がってきません。

SSD取外し

ネジが止まっていた側を浮かせて、スライドさせてSSDを取外します。
マニュアルでは、15度傾けるようにしてから外すとなっています。

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SSDのコピー(クローン)

今回は別のPCを使用して、SSDのコピー(クローン)をしています。

コピー(クローン)用PCへの接続

クローン PCへの接続

コピー(クローン)用PC-MeLE Quieter4Cの内臓SSDソケットに、コピー先のSSDを装着。
ちなみにこのPCは、2280サイズのsSDにしか対応していないため、マスキングテープで固定してます。
外付けケースに、元のSSDを装着してType-Cケーブルで接続。
Linuxは、MX-LinuxのLiveUSBを作成して、USBメモリから起動しています。

TIPS(この記事を書いている最中に気が付きました)

Linuxを使わずとも、
コピー(クローン)用PC(今回はMeLE Quieter4C)のWindowsに、WD BLACK SN770Mに付属(ダウンロード版)する、「Acronis True Image for Western Digital」をインストールして、SSDをコピー(クローン)する、という手もあります。その方が簡単ですね。

Linux起動 → ddによるコピー

Linuxを起動し、ターミナルを開き、以下のコマンドでSSDをコピー(クローン)します。
コピー元が128GBしかなかったので、3~4分で終了しました。

sudo dd if=/dev/sdb of=/dev/nvme0n1 bs=256K conv=noerror,sync status=progress

コマンドの意味ですが、

  • sudo:管理者権限で実行
  • dd if=/dev/sdb of=/dev/nvme0n1:if=で指定するドライブから、of=で指定するドライブにコピー
    今回の場合、
    • 「/dev/sdb」が外付けSSDケースで、もともと使用していたSSD
    • 「/dev/nvme0n1」が内臓SSDで、交換するSSD
  • bs=:指定した単位でコピーする(省略可)
  • status=progress:実行状況を表示(省略可)
注意

if=(コピー元)とof=(コピー先)は間違えないようにしましょう。データが消えてしまいます。
使用するPCによって、また、接続の仕方によって、コピー元とコピー先の指定は変わります。

こちらの記事も参照にしてください。こちらの記事では、内臓eMMCから、内臓SSDにコピー(クローン)しているため「sudo dd if=/dev/mmcblk0 of=/dev/nvme0n1 ・・・」と赤字部分が今回と異なりますので注意ください。

GPartedによるディスク情報修正、パーティションの移動・拡張

手順として、

  1. GPartedを起動する。
  2. 右上の対象ストレージ選択から、/dev/nvme0n1 を選択。
  3. Warning(警告)がでるのでFixをクリック・・・これでディスク情報が修正されます。
  4. リカバリーパーティションの移動
  5. Cドライブの拡張

となります。

こちらの記事を参考にしてください。

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新しいSSDの取付け、起動

新しいSSDの取付け

新しいSSDの取付

コピー(クローン)したSSDを取付け、カバーを戻して完了です。

TIPS

写真はSSDをそのまま取付けていますが、後日、純正SSDのケース(ヒートシンク)を流用して取付け直しています。純正SSDのケース(ヒートシンク)については、本記事の最後を参照ください。

交換後の起動

交換直後の起動は、通常時より少し時間がかかります。
起動したら、ドライブのプロパティなどで、容量を確認し、また、無くなった書類がないか、念のため確認しておきましょう。

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トラブル発生・・・フリーズ/再起動を繰り返す

ここまで、順調に行ってましたが、トラブルに見舞われ、解決に2日ほど費やしてしまいました。

症状

エラー等も表示されず、突然フリーズ、自動的に再起動する、というものです。
再起動時は、何かのチェックが自動で行われ、Windowsが起動。しばらく使用していると、フリーズ、自動的に再起動、を繰り返します。
特定の操作で起こるわけでもなく、アイドリング中でも発生。起動後1分程度でフリーズすることもあれば、10分以上使えていたりすることもあり、また予兆もなく、エラーも出ないので厄介な症状です。
最初は、SSDの熱暴走や、交換したSSDの不良かと思いましたが、そうではありませんでした。
わかるまで、苦労しました。
解決しましたので、同じ症状の方は参考にしてください。

解決のために試したこと

最初に解決のために試したことを記載します。
これらでは解決しませんでした。

  • 回復ドライブからの回復
    →症状は全く変わらず。
  • Windows11のクリーンインストール
    →インストール直後はなおったように思ったが、しばらくしてフリーズ。症状は全く変わらず。
  • SSD SN770MをほかのPCで試す
    →ほかのPCでは症状はでない。(ほかのPC:MeLE Quieter4C、Let'sNote CF-QV8)

原因と対策

原因:Surface Pro 7+で、電源オプションの詳細設定、PCI Express - リンク状態の電源設定 が、「最大限の省電力」になっていると、この症状が発生。
対策:「適切な省電力」もしくは「なし」とすることで、解決。

INFO

Surface Pro 7+以外の手持ちのPC(MeLE Quieter4C、Let'sNote CF-QV8)では、電源オプションの詳細設定、PCI Express - リンク状態の電源設定 が、「最大限の省電力」になっていても、今回の症状は発生しませんでした。

検索「電源プランの編集」

タスクバーの検索で、「電源プランの編集」を検索し、開きます。

詳細な電源設定の変更

開いたウインドウの中の「詳細な電源設定の変更(C)」をクリック

電源オプション

電源オプション ウィンドウが開くので、
「PCI Express」の左の+マークをクリック
「リンク状態の電源管理」の左の+マークをクリック

最大限の省電力」を「適切な省電力」に変更します。
これは、「バッテリ駆動」「電源に接続」の両方とも変えます。

最後に「適用(A)」をクリックすれば完了です。

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交換した結果

交換したSSDの情報を、CristalDiskInfoCrystalDiskMarkで調べてみます。

CristalDiskInfoで注目すべきは、「対応転送モード」です。
純正SSDの「PCIe 3.0 x4 | PCIe 3.0 x4」から、WD SN770Mでは、「PCIe 4.0 x4 | PCIe 4.0 x4」になっています。
CristalDiskInfoの表示は、「PC側インターフェース | SSD側インターフェース」です。
今回、WD SN770Mは「PCIe 4.0 x4」対応SSDのため、
「PCIe 3.0 x4 | PCIe 4.0 x4」
と表示されると思っていたのですが、PC側がPCIe 4.0 x4対応していたのですね。

考察

上述のトラブルは、PC本体側のPCIeインターフェースが3.0→4.0へ切り替わったのが原因かもしれません。Firmwareで対応してほしい気がしますが、純正SSD以外に交換しているので、文句は言えません。

Microsoft SurfacePro7+ WD SN770M

CrystalDiskMarkでは、読込み/書込み速度とも、おおよそ2.5~5倍と大幅に向上しました。
はっきり速度アップが体感できます。
このSurface Pro 7+は、搭載メモリが8GBと少なく、メモリ不足時はSSDにキャッシュするため、たくさんのアプリを使いメモリを消費する場合は、時にメリットが感じられます。

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おまけ ・・・純正SSDのケース(ヒートシンク)

SSDケース(ヒートシンク)

純正SSDは、ケース(ヒートシンク)に入っています。
分解して、流用できます。
チップとヒートシンクは、比較的低粘度な放熱グリスがぬられています。
結構たっぷりついていたので、私はそのまま使いました。塗り替える場合は、市販のCPUグリスが使えそうです。

SSDケース(ヒートシンク)説明

純正SSDのケース(ヒートシンク)固定ツメで止まっているだけですので、そこを外せば、写真のように簡単に分離できます。
ツメは、力を入れなくとも簡単に外せます。
ケースには、接点部分の防塵カバーもついていますので、どちらかといえば、流用した方がよいでしょう。

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